シドニー・シティ北部にあるサーキュラー・キー駅から歩いて5分程の場所にある
シドニー博物館(Museum of Sydney)には、
オペラハウスの作者に関するこんな常設展示があります。
「貝を構成している基本的な幾何学を3年間にわたって集中的に研究した末、
1961年10月にこの球形にたどり着いた。
私はこれを「貝の鍵(key to the shells)」と呼ぶことにする。
なぜなら、大量生産、製造の精密さ、
単純な組み立てから生じる建設上の問題すべてが、
それによって解決するからである。
そしてこの幾何学体系によって、
この素晴らしい構成に含まれるすべての形状の間に
調和をもたらすことができた。」
-ヨーン・ウツソン(Jørn Utzon)
ヨーン・ウツソン
デンマーク人の建築家。
造船技師の息子として生まれ育つ。
コペンハーゲンのロイヤル・アカデミーで学び、
スティーン・アイラー・ラスムッセンに師事。
卒業後、世界各地の伝統的な建築手法を学ぶ。
1957年、シドニーに建設される予定の
オペラ・ハウスの建築設計競技に応募して思わぬ勝利を収め、
世界の建築界にデビューを飾った。
これは彼のデンマークの国外で手がける最大級にして初めての仕事だった。
彼が提出した設計案は図面ではなく、
アイデアを書き留めたドローイングに過ぎなかったため、
応募基準に合わないと一旦は落選していた。
しかし審査委員だった建築家エーロ・サーリネンが
コンクリート・シェル構造の自由な造形で建物を覆い支えるアイデアを気に入り、
最終選考に復活させ強く支持したとされる。
以後ウツソンはオペラ・ハウスの建設の指揮と設計の修正に取り組んだ。
オペラハウスは、1973年に女王エリザベス2世によって開館し、
以後世界的に著名な建築として親しまれている。
2003年、ウツソンはオペラハウス設計の栄誉を称えられ、
シドニー大学から名誉博士号を授与された。
同時にウツソンに対し
オーストラリア勲章やシドニー市の鍵なども授与された。
また同年ウツソンは建築界の最大の栄誉であるプリツカー賞も受賞した。
2007年、シドニー・オペラハウスは、ユネスコの世界遺産に登録された。
どうです? 面白いでしょう?
シドニーの象徴オペラハウスの見方がちょっと変わってきませんか?
2011-09-09 08:29
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